これまでの都市工塾

講師のお名前、肩書きは、当該月時点のものです。

2018年

10月

日時:10月20日(土)14時30分~16時30分頃

場所:東京大学工学部14号館都市工学科141教室
基本テーマ:「地域劇場の経営(新旧アートマネージャーからの提言)」
講演1: 「夏はオペラへ!にしきた劇場歳時記」
 講師:宮地 俊江 氏
    (兵庫県立芸術文化センター 事業部制作担当課副課長)
講演2 :  「 創造劇/新版二日月 地域劇場の新たな取り組み」
 講師:谷沢 理香 氏            
    ( 新潟市北区文化会館事業部企画制作担当 )
 現在約1,500を数える全国の公共ホールですが、その経営状況には大きなバラツキがあることが指摘されています。行政・市民の参加と協力を得て、地域の文化インフラとしてまちづくりや地域活性化の核として活動しているホールがある一方、様々な課題を抱えて低迷するホールも数多くあるのが実態です。
2012年に制定された「劇場法」の前文では、劇場・音楽堂等を「文化芸術を継承し、創造し、及び発信する場であり、また、人々が集い、人々に感動と希望をもたらし、人々の創造性を育み、人々が共に生きる絆を形成するための地域の文化拠点である」と書かれています。各地域の公共ホールが、法律が想定する地域の文化拠点として発展するための課題は何か、またどのような方向性を目指すべきか。
今回は、地域の公共ホールが真の地域劇場(音楽堂)としての地位を確立し、地域の文化拠点として発展するための諸課題等について、現在活躍中のお二人のアートマネージャーに現場からの報告・課題提起を行っていただき、ベテランの公共ホール関係者から関連コメントをいただき、その後フロアとの質疑を行った。 

 

9月

日時:9月10日(月)18時~20時
基本テーマ:「都市コミュニティの形成とソーシャル・キャピタル」
講演1:「スマート街区コミュニティとソーシャル・キャピタル」
    講師: 永冨 聡 氏
   (都市工会「ソーシャル・キャピタル活用政策研究会」副主査)
講演2:「市街地活性化とソーシャル・キャピタル」
  講師: 麻生 智嗣 氏
    ((株)エックス都市研究所主任研究員)
 ソーシャル・キャピタル(社会関係資本)の醸成・活用が都市コミュニティの形成に様々な形で影響を有することは、近年の諸調査・研究によっても明らかにされつつありますが、今回は、「都市コミュニティの形成とソーシャル・キャピタル」を基本テーマとして、講演1では、ゼロ・カーボンを目指したスマートライフ推進の模索がスタートしている北九州市の住宅コミュニティの事例を中心に永冨氏に、また講演2では、低・未利用ストックの利活用に向けて取組が始まった宇都宮市の中心市街地地区の事例を中心に麻生氏に、其々ソーシャル・キャピタル政策との関連を踏まえてお話ししていただき、その後塾の運営をサポートするNPO法人都市工会「ソーシャル・キャピタル活用政策研究会」の方々からコメントをいただき、ついでフロアからの意見・質問を求めた。  

 

7月

日時:7月23日(月)18:30~20:00
・テーマ:『日比谷の街づくり~「東京ミッドタウン日比谷」の開発を

      通じて~』
・講師: 太田 幸一 氏
    (三井不動産株式会社 日比谷街づくり推進部事業グループ統

     括)
  都市工塾では、これまで東京駅周辺地区、渋谷地区など東京都心開発の状況について 順次取り上げてきましたが、今回は、今年3月に地上35階、地下4階、延床面積約189,000平方メートルのオフィス・商業・ビジネス連携拠点などから構成される「東京ミッドタウン日比谷」オープンで活気づく日比谷地区の開発・整備をテーマに取り上げました。
  講師は、ミクストユース型街づくりのブランド「東京ミッドタウン」プロジェクトを担当する三井不動産(株)の太田さん(都市工34期)で、固有の歴史と雰囲気を持つ日比谷の街づくりについて、日比谷地区の歴史、開発経緯、パブリックスペースの創出、エリアマネジメントそして今後の展望といった視点からお話しを伺いました。

6月

日時:6月25日(月)18:30~19:50
テーマ:「美と自由の都市デザイン」
講師:鈴木崇英 氏(COPER研究所代表)
 都市工塾の活動のバックグラウンドとなっている東京大学都市工学科が設立されたのが1962年、そして第1期の卒業生が巣立ったのが1966年ですが、その3年後の1969年に湯島のフトン屋の2階、7坪足らずの小部屋で丹下研究室の1期生を中心とした7人のサムライによって、日本初の都市デザイ専門のベンチャー・ビジネスといわれたUG都市設計が起業されました。今回は、その1期生の中心となってUG都市設計を設立し、〈美と自由〉を追求した都市デザイン活動を続けてこられた鈴木さんに、UG都市設計時代の都市デザインの要諦、具体的開発事例についてお話しいただき、さらに、その後、建築確認検査・住宅性能評価の専門機関である日本ERI(株)を立ち上げた経緯、さらに現在のアートの街づくりを追求するCOPER研究所の活動などUG以後の活動についても興味深いお話しをいただきました。

5月

日時:5月28日(月)18:30~20:00

テーマ:「都市再生~これまでの20年とこれからの20年~」
講師:小澤 一郎 氏
  ((公財)都市づくりパブリックデザインセンター顧問)
  1990年代はじめに起きたバブル経済の崩壊により不況に突入した日本経済ですが、市街地内では虫食い的に残された低未利用地対策が課題となり、このため土地有効利用事業により、需要喚起を図る緊急経済対策が実施されました。さらに、日米間の貿易不均衡問題に端を発する規制緩和・構造改革の推進が緊急の課題となり、大店立地法の制定や中心市街地対策(旧中活法)等が20年前の1998年に制定されました。
 土地の有効利用や規制改革による需要喚起はその後も経済対策の柱として重要視され、2001年には内閣官房に都市再生本部が設置されて、大都市を中心にした都市再生プロジェクトの推進が図られ、その後13次にわたる都市再生プロジェクトの決定が行われました。また、地方都市においても中心市街地対策の取組が全国的に展開されました。
 一方、これからの20年を考えると、地球温暖化対策やエネルギー対策、さらには、自動運転モビリティの普及など、いずれも都市の構造的変革をもたらす課題への対応が必要とされています。
 今回は、一貫して都市づくり・街づくりの専門家として活動されてきた小澤さん(都市工3回生)に、これまでの20年を振り返り、そしてこれからの20年を展望してお話しいただきました。

4月

日時:4月23日(月)18:30~20:00
・テーマ:「都市工塾開講20年の回顧と展望」
・講師: 澤井 安勇 氏
  (都市工塾実行委員会事務局長)
 バブル崩壊後の不況、アジア通貨危機などにより山一証券、長銀など大手金融機関の破綻が相次いだ金融危機の最中に、「危機の構図と再生への視角」をテーマとした第1回の講義でスタートした「都市工塾」も今年で開講20年、4月の講義で190回目を迎えることとなりました。
 この20年の日本社会を振り返ると、長期デフレが続く中で、リーマンショック、政権交代、東北大震災などの重大事変が次々と生じ、人口が長期減少局面に入る中で、社会の分断・格差の進行も顕著となるなど、総じて困難な状況が続いてきたように思えます。
 今回は、参加者の皆さんと共に都市工塾の20年を振り返りながら、ドラスティックな社会変容が進行する中での日本社会の今後の動向を占いながら、ポジティブな市民的ネットワークの輪を広げつつ、都市発の社会イノベーションの波を伝えていく塾活動の意義などについて語っていただきました。

3月

日時:2018年3月26日(月)18:50~20:00
・テーマ:「東日本大震災の復興状況と課題」
      ~主要被災三県の行政機関の現場から~
・講師:北嶋 秀明 氏
   (一級建築士事務所ETRA環境技術研究所 代表)
 東北大震災から7年目の春。住まいやまちの復興は着実に進んでいるように見えますが、今なお約8万人の避難者を数え、約2万人の方々が不自由な仮説住宅の暮らしを余儀なくされており、復興の新たなステージに応じた切れ目のない支援が必要とされています。
 今回は、災害を人々の居住環境に存在する様々なリスクが引起す自然的あるいは人為的な現象と捕らえ、災害のリスクは、災害の要因となる現象である「ハザード」、それが人間の居住域と重なる「曝露」、都市や地域及び住民がもつ「脆弱性」の三つの要因が重なることで生じており、このうち、「脆弱性」への対応は可能であり、我々が取組むべきターゲットであると主張されている北嶋さんに、震災遺構と復興ツーリズム、津波避難施設、津波避難計画、応急仮設建築等の視点から、氏がこれまで東北で担当されてきた復興支援業務の実情と課題について語っていただきました。

1月

・日時:2018年1月22日(月)18:50~20:00 (開場18:45)
・テーマ:「二地域居住の試み」
・講師: 片山 一郎 氏 (川場二地域居住推進協会)
『人生100年時代』における一つの選択肢として「二地域居住」があります。
「二地域居住」とは、都市と農村のそれぞれに拠点を設け、複数の仕事を持ちながら組織にとらわれない働き方を追求するライフスタイルです。都会と農村、双方の利点を取り入れ、現在の生活基盤を活かしながら新しいライフスタイルを実現できるなどのメリットがある半面、地域コミュニティへの参加、老親の遠距離介護、、田舎の不動産の相続、働き方改革、副業・起業、フリーランスという選択など、乗り越えるべき多くの課題があることも事実です。
50~60代のサラリーマンが直面するライフスタイルの激変への一つの提案として、今回は、川場二地域居住推進協会の片山さん(都市工14回生)に、ここ十数年間の試みの軌跡を辿りながら、「二地域居住」の現状と展望についてお話しいただきました。

2017年

1月

・日時:1月16日(月) 18:50~20:00 (開場18:45)

・テーマ:東京ゆりかご幼稚園と里山教育

・講師:内野彰裕 氏 (学校法人内野学園 東京ゆりかご幼稚園・園長)

    渡辺 治 氏   (渡辺治建築都市設計事務所・所長・工博)

 八王子市にあって自然教育、体験教育を通して豊かな心を育むことをモットーとする東京ゆりかご幼稚園とその里山教育が、今年8月、2016年キッズデザイン賞で最優秀賞の内閣総理大臣賞を受賞しました。

 同園は、理想的な里山教育を行うために、6年かけて広大な森に三方が囲まれた2.3haの土地を手に入れ、強風と雨雪が吹きつける高台に車道を通し、治水し、北の強風は高さ6mの壁で遮り、南に開いて夏の季節風を取り入れて、森の冷気を入れる自然冷房を実現しました。

 また、畑や棚田で里山を再現し、100mのえんがわを設けた教室と里山文化を連続させました。敷地裏には夜間に在来の動物も降りてくる47haの森が控えており、この大自然と里山文化を通じて、子どもたちは創造性と冒険心をはぐくむことができます。

 こうした「里山教育」を中心に据えた同園の教育哲学や施設デザインの考え方などを園長の内野氏と建築設計を担当された渡辺氏にお話ししていただきました。

 

2月休講

3月

・日時:3月27日(月) 18:50~20:00 (開場18:45)

・テーマ:「ふるさとになれるまち

      ?谷中の暮らしと歴史を活かすまちづくり」

・講師: 椎原 晶子 氏

   (NPO法人たいとう歴史都市研究会副理事長、

     地域プランナー、晶地域文化研究所代表)

 谷中界隈には、明治、大正、昭和、平成と各時代の家があります。古くからの家を住まいや店、仕事場で使うことは、各時代の価値観、四季の過ごし方、近所付き合いなどを今の人々が自然に身につけるきっかけにもなります。

 同地域では、日頃のご近所づきあいや町会活動等に加え、1980年代より、まちの自然や文化の再発見プログラムを重ねて、新旧住民や訪れる人がまちの特徴や価値を分かち合えるようになってきました。その中でも不動産としては流通しがたく、保存改修に法的制約の多い伝統的な日本家屋について、NPOによる借受サブリース、古民家活用の計画支援、管理運営委託などで持ち主と使い手、まちの人々をつないでいます。

 今回は、永年同地域のまちづくりに取り組んでこられた地域プランナーの椎原さんに、谷中に今住む人もこれから住む人も「ふるさと」と言えるまちをめざして、暮らしの文化、まちとのつながりを次世代に引き継いでいけるしくみをどのように開拓していくべきかなど、まちづくりの課題についてお話ししていただきました。

 

4月

・日時:2017年4月24日(月)18:50~20:00 (開場18:45) 

・テーマ:「日本の商店街の底力を探る」

      ~全国100商店街取材を通してみる実態と課題~

・講師:三橋 重昭 氏

  (NPO法人まちづくり協会顧問(前理事長)、元中小企業診断士、SC経営士)

 地方創生が叫ばれている昨今ですが、かつては町の顔として、地域活性化の担い手あるいは地域コミュニティを形成する場として地域に貢献してきた商店街は、近年、中心市街地の空洞化や経営者の高齢化などにより、その多くは活力を失いつつあります。 

  こうした状況を踏まえて、今回は、これまで全国大小100の商店街を取材してレポート記事を書いてこられ、日本の商店街事情について詳しい、NPO法人まちづくり協会顧問(前理事長)の三橋さんに、全国の主要商店街の紹介、地域商店街の課題や変容、その将来性、都市計画との関わり合いなどについてお話しいただきました。

  なお、三橋さんは、この3月末に、共編著として『地域商業の底力を探る』(白桃書房刊)を出版されました。

 

5月

・日時:2017年5月29日(月)18:50~20:00 (開場18:45)

・テーマ:「森林バイオマス発電も含む総合林業」

・講師::齋藤 大輔 氏

     (グリーン・サーマル株式会社 専務取締役)

 森林は、「緑の社会資本」といわれるように、国土の保全、水源の涵養、地球温暖化の防止、生物多様性の保全、木材等の林産物供給などの多面的機能を有し、都市社会を含む国民生活の多くが、この森林の効用に依存しています。そして貴重な森林資源を将来にわたり有効適切に利用するためには、「植える→育てる→使う→植える」という、いわゆる循環利用サイクルの推進が必要となります。

  今回は、こうした森林の循環利用サイクルを前提に、植林から素材生産事業、さらには森林バイオマス発電事業を手掛けられているグリーン・サーマル株式会社の齋藤さんに、事業の基本的な考え方と現状、そして将来の森林資源の利用方法や林業施行のあり方などについて語っていただきました。

 

6月

・日時:2017年6月26日(月)18:50~20:00 (開場18:45) 

・テーマ:「今敢えて、民間都市プランナー論」

・講師::佐伯 直  氏

 (株)エックス都市研究所 特別顧問、(一社)都市計画コンサルタント協会 理事

(特非)日本都市計画家協会 監事

 来年は、我が国の都市計画制度の基本法である新都市計画法が昭和43年に制定されて50年を迎えます。この新法により、市街化区域・市街化調整区域の区域区分制度や開発許可制度など基本的な都市計画の枠組みが創設されました。その後も平成4年に都市計画マスタープラン制度が導入されるなど都市計画法制の充実が逐次図られてきました。

 ちなみに、現行都市計画法の基となった旧都市計画法の制定は、大正8年〈1919年〉に制定されており、再来年が100周年になります。

 こうした大きな節目の時期に、永年、民間都市計画コンサルタントの世界で活躍されてきた佐伯さんに、我が国の都市計画や都市開発の舞台で民間都市プランナーが果たしてきた役割とその周囲を取り巻く状況を振り返っていただくとともに、今、民間都市プランナーの世界で進んでいる、その社会的立場を変えようとする新たな動き(認定都市プランナー制度等)などの話題にも言及していただき、これからの民間都市計画プランナーの在り方について語っていただきました。

 

7月

・日時:2017年7月24日(月)18:50~20:00 (開場18:45)

・テーマ:「21世紀の万博??愛知2005から大阪2025へ」

・講師: 彦坂 裕 氏

    (建築家・環境デザイナー)

 1970年の大阪万博開催から約半世紀、そして2005年の愛知万博から10年余を経て、今再び2025年国際博覧会の大阪誘致に向けた活動が盛り上がっています。今年の6月14日には、パリで開催されたBIE(博覧会国際事務局)総会でわが国のプレゼンテーションが行われました。オリンピックとならび、万国博覧会はイベント型の都市形成の起爆剤であり、社会の近代化・現代化のための国際的なシステムでもあります。

  この機会に、改めて、万博は都市にどのようなレガシーを残したのか、万博という情報環境は社会の変容とともにどのように推移しているのか、そもそも万博とは何かといった国際博覧会にまつわる様々な問題設定の枠組みの中で、これまで愛知(2005年)、サラゴサ(2008年)、上海(2010年)、ミラノ(2015年)、アスタナ(2017年、現在開催中)の日本館、ならびにBIEのパビリオン審査委員会に関わってこられた建築家・環境デザイナーの彦坂裕さん(都市工11期)に、万博と都市について、文化的な俯瞰やその現実化への実情も含めて語っていただきます。

 同時に2020年のドバイ、そして現在立候補している2025年大阪の状況についてもご案内していただきました。

8月

休講

9月

・日時:2017年9月25日(月)18:50~20:00 (開場18:45)     
・テーマ:「都市と博物館ー博覧会から博物館、都市へー」
・講師: 小笠原 廣樹 氏
    (東京都人材育成センター客員教授) 
全国で5千数百館、都内だけでも約3百館の大小さまざまな個性あふれる博物館施設が存在し、其々の特色を活かした活動が展開されています。そこでは、歴史や美術、自然、科学や地球環境など多岐にわたるテーマについて、楽しく学びながら、明日を考えるための糧を手に入れることができます。
今回は、「都市と博物館―博覧会から博物館、都市へー」と題して、最近まで江戸東京博物館に勤務されていた小笠原廣樹氏(都市工11期生)から、わが国の博物館の成立過程、博物館創設時の時代背景、博覧会と博物館、博物館における都市の扱いなど、博物館を楽しみ、都市を楽しむ諸視点についてお話ししていただきました。

 

10月(NPO法人都市工会の公開パネルと共催)

・日時:2017年10月21日(土)14:00~16:00頃 (開場13:30)     
・基本テーマ:「災害対策とソーシャル・キャピタル」
*講演1:「レジリエンス構築とソーシャル・キャピタル」
  講演者:澤井 安勇 氏(都市工会 代表理事)

     (予定されていた石田祐氏(宮城大学事業構想学部准教授、  

  日本NPO学会事務局長)が休場のため、代講)
*講演2:「地域の力を引き出す~市民先行・行政後追いの災害対策」
  講演者:加藤 孝明 氏
     (東京大学生産技術研究所准教授(地域安全システム学))
*質疑・意見交換:
モデレーター:  澤井 安勇 氏(NPO法人都市工会代表理事)
コメンテーター: 守 茂明 氏((一財)都市防災研究所事務局長)
         奈良 吉倫 氏(奈良技術士事務所主幹、伊奈町行

                 政区区長)
         佐藤 久弥 氏(さいたま市都市局都心整備部都心

                 整備課長)
地域コミュニティの中で人々がある種のアイデンティティを共有し、お互いを信頼し、互恵的に何かをするような状況があることを、ソーシャル・キャピタル(社会関係資本)が存在する状況と定義することができます。
近年、地域コミュニティにおける信頼感や社会的結束を高め、多様なソーシャル・キャピタルを豊かにすることにより、様々なまちづくり効果や災害時におけるレジリエンス(対応力)の強化に役立てようという考え方が強まっています。今回の都市工塾では、お二人の講師から、「災害対策とソーシャル・キャピタル」を基本テーマとして其々ご講演いただき、コメンテーターからの意見をいただいた後、フロアをまじえて自由討議を行いました。

 

11月

・日時:2017年11月27日(月)18:50~20:00 (開場18:45)     
・テーマ:「低炭素型都市づくりの現状と今後の展望」
・講師: 村木 美貴 氏
   ( 千葉大学大学院工学研究院教授)
  地球温暖化対策の国際的枠組みであるパリ協定が1年前に発効したことにより、わが国においても改めて低炭素型都市づくりの重要性が認識されています。環境問題への対応を都市計画の分野から図る上からも、今後低炭素型都市づくりがさらに広がることが期待されますが、これを実際の都市環境で実践し、また一定の成果を得るには、社会的にも経済的にもさまざまな仕組みが必要になります。
 現在、欧州の各都市では低炭素化の試みを政策的に推進し、ユニークな試みや実験をしているところが少なくありません。都市づくりでの開発と連動した取り組みがなされています。
  今回は、日本、英国での低炭素化型都市づくりや都市のエネルギー対策、さらにタウン・マネジメント等にも 深く関わってこられた千葉大学大学院の村木美貴さんにお話しいただきました。

 

12月

・日時:2017年12月18日(月)18:50~20:00 (開場18:45)
・テーマ:「CCRCとランドスケープデザイン:quality of life実現への  

      視座」
・講師:関 由美子氏(一般社団法人生涯活躍のまち推進協議会地域プ

           ロデューサー)
    上山 良子氏(ランドスケープ・アーキテクト、長岡造形大学

           名誉教授・前学長)
 4人に1人以上が高齢者という本格的な高齢社会となったわが国ですが、最近「日本版CCRC」に取り組む自治体・地域の話題を耳にするようになりました。CCRCは、米国で発展したContinuing Care Retirement Community、すなわち高齢者が移り住み、必要なケアや生活支援サービスを受けながら、生涯活動や社会活動に参加することができるコミュニティーのことです。政府は「地方創生」推進及び「一億総活躍社会」実現のため、日本版のCCRCを「生涯活躍のまち」(注)と名付けて、人口減少と高齢化が進む日本の各地域で推進することとし、現在、一般社団法人生涯活躍のまち推進協議会が中心となって、同構想の導入を進める自治体や地域、企業を支援しています。
 今回は、この日本版CCRCである「生涯活躍のまち」事業に関する動向を同協議会地域プロデューサーの関由美子氏から、そして「生涯活躍のまち」実現のキーとなる「クオリティー・オブ・ライフ」をどう実現するかについて、「場を創る」ことの原点をランドスケープ・アーキテクトの上山良子氏から其々お話しいただき、改めて、「我がこととしての生涯活躍のまち」の意味を捉え直す機会になりました。

 

2016年

1月

・日時:1月25日(月) 18:50~ (開場18:45)

 ・テーマ:「森林バイオマス発電事業への挑戦」

・講師:青山 俊介 氏

   ((株)エックス都市研究所取締役特別顧問)

 

 再生可能エネルギーの活用政策が進む中で、バイオマス資源の利用率も高まっていますが、ほとんど利用率が変化していない分野が森林バイオマスであり、特に林地残材の利用が進んでいない現状にあります。

 こうした状況の中で森林バイオマス発電事業のビジネスモデルとして注目されているプロジェクトが、国内第1号のFIT(再生可能エネルギー固定価格買取制度)事業として2012年にスタートした(株)グリーン発電会津が実施している木質バイオマス発電事業であり、ちなみに、同社は、昨年度の新エネルギー大賞を受賞しています。

 今回は、会津をはじめとして各地で進められている森林バイオマス発電事業を中心的に推進しているグリーンサーマル株式会社の会長でもあるエックス都市研究所の青山さん(都市工3回生)に、これまでの経過を踏まえて、わが国の森林バイオマス発電事業の概要と、その限界と課題、海外展開の可能性などをお話していただきました。

 

2月 休講

3月

・日時:3月28日(月) 18:50~ (開場18:45)

 ・テーマ:「2025年問題と地域包括ケアシステム」

・講師:藤井 多希子 氏

   (政策人口研究所代表理事、中野区医師会事務局長)

 

 団塊の世代全員が後期高齢者層に達し、4人に1人が75歳以上という超高齢社会となる「2025年問題」が話題となっています。これまで国を支えてきた団塊の世代が給付を受ける側に回り、医療、介護、福祉サービスへの需要が急激に高まって社会保障財政のバランスが崩れる、とも指摘されています。

 この2025年を目途に、住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される仕組みを中学校区単位で構築しようとする「地域包括ケアシステム」実現の必要性が叫ばれています。地域包括ケアシステムがうまく機能しなければ、「2025年問題」はもちろんのこと、その後の「2050年問題」も乗り越えることができず、地域の存続すら危ぶまれる、とも懸念されています。また、この地域包括ケアシステムをどうデザインするかは、単に、医療・福祉の課題だけでなく、安全・安心で住みやすい生活コミュニティづくりという重要な都市政策課題でもあります。

 今回は、中野区医師会で、地域包括ケアシステム構築に向けて医療・福祉連携の推進に取り組まれている藤井さんから、中野区医師会が中心になって進めている多種連携の事例の紹介、人口学的視点からの今後の課題等についてお話いただきました。

 

4月

・日時:4月25日(月) 18:50~ (開場18:45) 

・テーマ:「身の周りの防炎化による防火の推進」

・講師:鷺坂 長美 氏

 (公益財団法人 日本防炎協会常務理事)

 平成25年の火災件数は48,095件、死者は1,625人を数えますが、死者の77%は建物火災によるものであり、さらにその88%は住宅火災によるものです。また、この住宅火災の死者の70%以上が高齢者の方々で、その多くが逃げ遅れ、着衣着火などにより命を落とされています。このため、消防庁はじめj各消防関係機関は、高齢者、特に一人暮らしの高齢者には、周辺環境を燃えにくくする防炎品の普及を推奨しています。

 今回は、この防炎品の普及推進を担当されている公益財団法人日本防炎協会の鷺坂さんに、「防炎」のしくみ、制度、その効用などについて、具体的事例を交えながらお話していただきました。

 

5月

・日時:5月30日(月) 18:50~20:00 (開場18:45) 

・テーマ:「課題先進国日本でNPOが担う役割―NPOがもたらす人的・経済的効果の検証」

・講師:

辻 麻里子 氏((一社)環境問題翻訳チーム・ガイア代表、宮前まち倶楽部主宰)

辻 陽一郎 氏(NPO新聞主宰、国学院大学ボランティアコーディネーター)

 1995年の阪神・淡路大震災後のボランティア活動の高まりを背景に特定非営利活動促進法(NPO法)が制定されたのが1998年。間もなく20年を迎えようとする我が国のNPO活動ですが、資金的脆弱性など諸課題も指摘される中で、社会的起業やコミュニティビジネスなど新しい動きも育ち始めています。行政や企業だけでは解決できない課題が山積する中で、第3のセクターとして、民間の非営利公益活動であるNPOセクターの役割は、今後ますます重要になってくるものと思われます。

 今回は、朝日新聞連載のコラム「新市民伝」を単行本化するプロジェクトをご家族一同で担ってこられた辻麻里子さんとご子息の陽一郎さんに、どんな人が、どんな思いで、どんな分野のNPO活動を行ってきたのか、また、それがどんな人的・経済的効果をもたらし、どんな手法や制度が生まれているのか、などについて、具体的事例とともにお話していただきました。

 

6月

・日時:6月27日(月) 18:50~20:00 (開場18:45) 

・テーマ:「ボッサ・ノーヴァな建築考」

   -日本の建築設計界事情をブラジルから見る-

・講師: 南條洋雄 氏  (南條設計室 所長)

 昨今、新国立競技場のデザイン設計問題やル・コルビュジエ設計の国立西洋美術館の世界文化遺産指定問題など建築設計に関する話題が目立つようになっています。

 今回は、「住宅から都市デザインへ」という標語を掲げ、建築と都市を同じ目線で捉え、美しい日本の街を目標に、コミュニティとの関わりを大切にした活動を続けられておられる建築家の南條さん(都市工学科5回生)に、氏の建築観、都市観を語っていただきました。

 なお、南條さんは、丸10年に及ぶブラジル移住生活の体験を踏まえ、一年前に今回のテーマと同名の著書を発刊された、自他ともに許す「ブラキチ」です。ちなみに、ボッサ・ノーヴァは、ブラジル発祥のジャズのジャンル名ですが、その意味は、「新しい隆起」ということだそうです。

 

 

7月

・日時:7月25日(月) 18:50~20:00 (開場18:45) 

・テーマ:「大手町・丸の内・有楽町のまちづくり」

・講師:井上 俊幸 氏

   (三菱地所株式会社 開発推進部長)

 日本最大のオフィス街である東京駅と皇居の間に位置する大手町・丸の内・有楽町地区は、1988年の再開発計画推進協議会設立以降、PPP(Public Private Partnership)の考え方に基づき、エリア一体となった大型再開発プロジェクトが進展しており、東京五輪後の街並みは大きく変貌するものと予測されています。

 同地区では、建物の更新が進むなかで、単なる建て替えにとどまらず、オフィス以外の様々な機能導入や、建物敷地を越えた公共空間の整備・活用によってエリア全体の価値を持続的に高めようとする動きが加速されていますが、こうした動向や今後の展望について、三菱地所の井上さん(都市工24回生)からお話ししていただきました。

 

8月休講

9月

・日時:9月26日(月) 18:50~20:00 (開場18:45)

・テーマ:「世界の記憶」候補・上野三碑を読む

・講師:熊倉  浩靖 氏

   (群馬県立女子大学教授、群馬学センター副センター長)

 昨年9月日本ユネスコ国内委員会が開催され、次の「世界の記憶」(Memory of the World)候補として、杉原リストとともに上野三碑(こうずけさんぴ)が選ばれました。我が国の「世界の記憶」は、御堂関白記や東寺百合文書などまだ限られたものしかない中で、群馬県高崎市に現存する三つの石碑が、なぜ選ばれたのでしょうか。

 今回は、この上野三碑の現代的意義と今後の地域づくりとの関わり合いなどについて、群馬県立女子大学教授の熊倉さんから、お話ししていただきました。

 熊倉さんは、日本最初のNPOシンクタンクでまちづくり活動、自治体経営等に貢献され、現在は、同大学群馬学センター副センター長として、グローカルな世界形成に向けた活動を続けられています。

 

10月

第15回ホームカミングデイ参加企画

・日時:2016年10月15日(土)午前10時30分~

・テーマ:「都市と劇場」

     -劇場法以後の公共ホールの役割と活動を考える-

・講演とパネルディスカッション: 

<基調講演者>

 井上建夫(公益財団法人びわ湖ホール総括アドバイザー(前館長))

 藤村順一(兵庫県立芸術文化センター副館長)

<コメンテーター>

 田代雅春(新潟市北区文化会館館長・TM魁文化研究所所長)

 石田義明(公益財団法人東松山文化まちづくり公社理事長)

 

 “都市は、芸術を育てるとともに芸術であり、劇場をつくるとともに、劇場である。”というルイス・マンフォードの言を引用するまでもなく、都市の活力や創造性と芸術・文化活動とは密接な関わりを持っており、近年の創造都市政策においても芸術・文化活動とその施設空間などに戦略的意義づけが行われています。 

 わが国においても、2012年6月に、いわゆる劇場法(劇場・音楽堂等の活性化に関する法律)が施行され、自治体における芸術文化政策の意義および劇場・文化ホールなどのあり方や意味づけが改めて問われはじめています。 

 今回の都市工塾においては、都市の時代といわれる現在、都市における芸術・文化の多様な役割やその意味づけを、具体的な劇場・公共ホール等の実態に即して検証し、今後の方向性、可能性等を探ろうとするものです。 

 当日は、お二人の基調講演者から、それぞれが関係する公共ホールを事例に公共ホールの役割と活動について、課題提起を含めお話しいただき、さらに、お二人のコメンテーターからそれぞれの意見を述べていただいた後、フロアからも多数の質問・意見がありました。

 

11月

・日時:11月28日(月) 18:50~20:00 (開場18:45)

・テーマ:英国の歴史遺産「桟橋」から見えてきたもの

・講師:井上 聰史 氏

   (政策研究大学院大学 客員教授)

 井上氏は、2003年国際港湾協会事務総長のとき(現在は名誉事務総長)、都市工塾で国際物流と都市づくりについて、お話しいただきましたが、今回は、ライフワークの桟橋について語っていただきます。

 英国の海岸リゾートに1800年代建造された「桟橋」は、現存するものが少なくなっており、60弱のほぼ全数踏破を期にレポートをまとめられました。歴史を越えて人々に楽しまれ続ける桟橋の全容を御紹介いただくとともに、英国海岸リゾートの豊かなライフスタイル、これから日本が目指すべき海と共生する地域づくりの方向を語っていただきました。

 

12月

・日時:12月19日(月) 18:50~20:00 (開場18:45)

・テーマ:八ッ場ダムの概況

・講師:奈良 吉倫 氏 (奈良技術士事務所)

八ッ場ダムは、群馬県長野原町の利根川水系吾妻川に建設中の多目的重力式コンクリートダムですが、地元の激しい反対運動やその必要性についての論争などから、民主党政権の脱ダム政策への転換に伴い2009年に一時工事が中断されマスコミを賑わせました。その後2011年に事業継続が決まり、2015年2月にはダム本体建設工事の起工式が行われ、現在、2019年度の完成を目指して工事が行われています。

 

今回は、この八ッ場ダム問題について、住民の生活再建、地域振興などに携わってこられた奈良さんに、これまでの経緯や最近の状況などについて語っていただきました。

 

2015年

1月

・日時:1月26日(月) 18:40~ (開場18:30)

・テーマ:「アートによる上野‐谷中地域の活性化」

・講師: 

  坂元 暁美 氏(〈アートリンク上野‐谷中〉実行委員長)

  森 徹 氏 ( NPO 上野の杜芸術フォーラム 代表 )

  明治以来、わが国の文化の宣伝塔の役割を担ってきた

「上野の杜」とその地続きの谷中地域を一体として、同地域

をアートにより活性化することを目的に、20年近くユニーク

なアートイベントを展開されてきた〈アートリンク上野‐

谷中〉実行委員会と、同じく博物館動物園駅という廃駅を、

美術館として再生させようとする「 MinM(ミュージアムイン

メトロ)プロジェクト 」を展開されている〈NPO上野の杜芸術

フォーラム〉の活動の成果等について、それぞれの代表から

語っていただきました。

 

2月休講

 

3月

・日時:3月30日(月) 18:40~ (開場18:30)

・テーマ:「首都圏における鉄道整備とまちづくり」

・講師: 石田 義明 氏

 (NPO法人フォーラム自治研究 理事 調査研究部長)

 2020年東京オリンピックに向けて、首都圏の都市開発の

動きがあわただしくなっていますが、鉄道交通の分野で

もこの3月14日に「上野東京ライン」が開業し、宇都宮

線・高崎線・常磐線と東海道線が相互直通運転すること

となり、また成田・羽田直結線構想など羽田への新たな

路線開設構想も熱を帯びるなど大きな動きがみられます。

 交通政策審議会の最近の審議状況等も含めて、こうした

ホットな話題を始め、東京圏と京阪神圏との比較、東京

北東部の鉄道路線データ、さらには、今年開業10年を迎

えるつくばエクスプレスのお話など盛りだくさんの首都

圏鉄道情報を、自他ともに認める鉄道マニアでもある

石田さんに語っていただきました。

 

4月

・日時:4月27日(月) 18:50~ (開場18:45)

・テーマ:「最近のマンション供給動向について -湾岸エリアと超高層タワー」

・講師:小川正氣 氏

   (住友不動産(株)理事)

  東京の不動産市況は、このところの東京オリンピック特需

 などもあって価格上昇が続いており、都心地域を中心にマン

 ション重要も高まっていると言われています。そうした状況

 の中で、リーマンショック後のマンション市場の近況と今後

 の見通し、最近湾岸エリアを中心に急増しているタワーマン

 ションの考察、デベロッパーが狙いとしているマンション供

 給地の考察等について、住友不動産(株)の小川さんから

 語っていただきました。

 

5月

・日時:5月25日(月) 18:50~ (開場18:45)

・テーマ:「万博から45年、バシェ音響彫刻の修復と活用にむけて」

・講師:飯田一夫氏

  (音楽プロデューサー / バシェ協会 設立理事・事務局長)

 1970年大阪万博から今年で45年。当時、「鉄鋼館」の演出

をした故武満徹氏に依頼されてフランス人の音響彫刻家バシェ

兄妹が日本人助手とともに制作し、展示された巨大な金属製の

音響彫刻の一部が近年復元され、先般国立近代美術館でもその

ユニークな音響が披露されました。未だ倉庫等に眠る残りの

部材の修復と活用については、バルセロナ大学と京都市芸術大、

東京藝術大学などにより、現在、本格的な調査研究、修復、活

用とその後の収蔵等について模索が続けられています。このプ

ロジェクトは、都市に埋没する貴重なアートの修復や活用、そ

してアートマネジメントのあり方の視点からも興味深いものが

あります。永年音楽を中心とした都市のアートイベント・プロ

ジェクトの企画・制作に従事され、今年、仲間達とバシェ協会

を立ち上げられた飯田一夫氏から、このプロジェクトが提起す

る諸課題や現在進められているアート・イベントについて語っ

ていただきました。

 

6月

・日時:6月29日(月) 18:50~ (開場18:45)

・テーマ:「国宝・厳島神社の謎を解く~都市と参道から考える~」

・講師:岡野 眞 氏 (建築家・岡野設計監理事務所代表)

 広島県廿日市市に鎮座する国宝・厳島神社は、平成8年にユネスコ世界文化遺産に登録され、年間300万人もの観光客・参拝者を国内外から集める、なじみ深い有名スポットとなっています。

 しかしながら、まだ神社については解らないことが多く、しかも定説にも多くの疑問が残されています。優美な社殿は本当に平清盛によるものか、台風等の災害に対する対策はどのように考えられているか、門前町や参道の形成経緯などについて、建築家の岡野さんから都市と工学の観点から語っていただきました。

 

7月

・日時:7月27日(月) 18:50~ (開場18:45)

・テーマ:「非常食」から「災害食」へ 

       - 日本災害食学会と認証制度について

・講師::守 真弓 氏

(日本災害食学会 理事・事務局長、

 NPO法人高度情報通信都市・計画シンクタンク会議

                  理事・事務局長)

 地震などの自然災害時に、首都圏など人口が多く帰宅困難者が

大量に発生する可能性が高い都心部では、被災者の生活について

様々な問題が懸念されています。その中で、特に、「食」に関す

る問題について考え、幅広い分野の知恵を集め、情報を社会に発

信し、研究者を育てるという目的で、2013年9月1日、「日本災害

食学会」が設立されました。

 「非常食」と「災害食」との違い、首都直下地震など大災害で

予測される「食」の問題およびその対策等について、ユニークな

同学会の活動内容の紹介も含め、学会理事・事務局長の守 真弓

さんにお話をしていただきました。

 

9月

・日時:9月28日(月) 18:50~ (開場18:45)

・テーマ:「認知症のためのまちづくり」

・講師:井上 裕 氏(明海大学名誉教授)

  厚生省によれば、2012年に462万人(高齢者の約7人に1人)で

あった認知症高齢者は、2025年には700万人(約5人に1人)に増大

すると予測されています。その一方で、特養や有料老人ホームと

いった介護保険施設や居住系のサービスの整備は、急増する認知症

高齢者に追いつかず、このため、厚生省の新オレンジプランでは、

在宅の認知症高齢者をサポートする体制づくりに行政施策の重点が

置かれています。

  居住環境デザインのあり方など地域づくりの必要性は、介護を

受ける認知症の人自身の視点からの介護・支援という意味からも

重要ですが、これまでの認知症に対応したデザインは、(先進諸

外国においても)主に屋内環境についてであり、戸外へのアクセ

スをいかに提供するかが、認知症の人自身の視点に立った場合の

大きな問題として残されています。

  在宅の認知症高齢者の激増が予想されている日本における今後の

都市計画やまちづくりに何が求められているか、イギリスにおける

実証研究の結果の紹介とともに、明海大学名誉教授の井上さんにお

話いただきました。

 

10月

 10月の都市工塾は、第14回ホームカミングデイHCD参加プログラムの一環として行われ、講演会場にて、最新備蓄用災害食の資料展示、試食も行われました。 

・日時:2015年10月17日(土)午前10時30分~12時

・テーマ:自助共助の防災がもたらす「新しい社会構造」

     ~備蓄改善運動に見られる地域連携の新しい構図~

・講師:守 茂昭 氏(一般社団法人 都市防災研究所 上席研究員)

 この20年の間に、阪神淡路大震災、中越沖地震、東日本大震災などの巨大災害からの貴重な体験を通じて、住民間のネットワークによるコミュニティの充実と災害対応力(レジリエンス)の密接な関わりが広く認識されるようになりました。

 それは同時に、次代の社会構築にはコミュニティの充実が不可欠であることを示唆しています。そして、コミュニティの住民間のネットワーク関係から生まれる様々な効果・効用をソーシャルキャピタル(社会関係資本)として位置付け、防災対策はじめ幅広い政策分野に応用しようという動きも近年定着しつつあります。今回は、都市防災研究所の守さんから、東京駅周辺防災隣組の設立、備蓄改善としての災害食の推奨などの活動事例に基づき、衣食住という日常性の高いテーマを通じたソーシャルキャピタルの醸成、地域連携の強化などについてお話いただきました。

 

11月

・日時:11月30日(月)18:50~ (開場18:45) 

・テーマ:「サステイナブル・デザインの軌跡」

・講師:竹内 佑一 氏

(NPOエコ・エネルギーによる地域交通システム推進協会理事長) 

 近年、EUのサステイナブル・シティ政策に代表されるように、

都市・地域政策、まちづくり・建築等の幅広い分野で、地球環境に

配慮した設計思想、すなわちサステイナブル・デザインが基本的

潮流となっています。

 今回は、永年、IBS(計量計画研究所)で都市計画の環境分野

への拡大に貢献されてきた竹内さん(都市工4期生)に、これま

で手がけられてきたサステイナブル・デザインの軌跡を幅広い

視点からお話いただきました。

 

12月

・12月21日(月)18:50~ (開場18:45)

・テーマ:「マルセイユー斜陽都市を

        欧州文化首都に押し上げる都市デザイン」

・講師:鳥海 基樹 氏

   (首都大学東京都市環境学部建築都市コース准教授) 

 フランス最古の都市であり、パリに次ぐ大都市であるマルセイユ

は、港湾機能の移転等により、長期にわたり都市全体での衰退が続

き、フランスの斜陽都市のトップランナーと呼ばれていました。

 このマルセイユが、近年、ユーロメディテラネ構想(意訳すれば

欧州地中海都市覇権構想)なる都市再生プロジェクトで大きく変貌

しつつあり、MUCEM(欧州地中海文明博物館)の移転、トラムの整備

なども進み、2013年には欧州文化首都に選出されるなど復活を遂げ

つつあります。ニューディール政策の側面を持ち、竣工後も雇用が

発生する持続性をも有するこの計画のお話を中心的テーマとして、

首都大学東京の鳥海さん(都市工28期生)に都市再生のあり方をお

話していただきました。

 

2014年

1月

 

・テーマ:さいたま市における「新しい公共」関連施策について  -マッチングファンド事業を中心として

・講師:大沢 教男 氏(さいたま市 市民・スポーツ文化局 市民生活部コミュニティ推進課 市民活動支援室 室長)

 近年、各自治体における市民活動の推進、公民協働の促進

の動きが活発になっていますが、その中でも、積極的な取り

組みが目立つさいたま市の事例について、これまで取り組ん

できた、指針や条例づくり、サポートセンター整備、

ソーシャルキャピタル調査、マッチングファンド事業

などの施策について、担当の大沢市民活動支援室長にお話し

いただきました。

 

3月

・テーマ:「路地はまちの宝」

・講師:今井 晴彦 氏

   (全国路地のまち連絡協議会世話人)

 近代の都市計画は、広幅員の街路整備を至上命題として

いるように見えますが、歴史的には、わが国のまちは、

路地でできており、平安時代、江戸時代からの路地が今でも

生き残っています。お年寄りなど社会的弱者も安心して暮ら

せる貴重な空間である路地の価値とこれからの位置づけなど

について、全国路地のまち連絡協議会を立ち上げ、10年以上

活動を続けられている今井さんから、お話していただきました。

 

4月

 

・テーマ:「ソーシャル・キャピタル(社会関係資本)を考える」

・講師:澤井 安勇 氏(NPO法人都市工会代表理事)

  大災害からの復興まちづくり論やコミュニティー研究などで 必ず取り上げられる人々の絆、ネットワークの問題は、ソー シャル・キャピタル(社会関係資本)論として整理されつつあり、国、自治体などで政策への幅広い適用についても検討

されていますが、物質的な社会資本論と異なり心の領域が絡

むだけに、捉えにくい部分が多く、また、プラスの効用だけ でなく、マイナス面(ダークサイド)についての言及も多く なっています。こうしたソーシャル・キャピタルの諸側面に ついて考えてみたいと思いました。

 

 5月
・テーマ:「国づくり・まちづくり」
・講師:小浪 博英 氏
    (一社)国土政策研究会専務理事
  国づくりの基礎はまちづくりであり、まちづくりの指針は国土計画・地域計画のはずです。それがうまくいっているのかどうなのか。また、まちづくりを阻害する要因が沢山ありますが、それらをどうやって乗り越えて豊かな高齢化社会を迎えることが出来るのかなど検証したことを語っていただきました。なお、同氏は都市工学科一回生。
 
6月
・テーマ:「ジョンソンタウンの話」
・講師:磯野達雄 氏 ((株)磯野商会代表取締役)
    渡辺治 氏 (渡辺治建築都市設計事務所)
 埼玉県入間市にある「ジョンソンタウン」は、全体の3割ほどを占める進駐軍ハウス(元米軍人の住宅)を中心に、新築された住宅、周辺店舗等で構成されるエキゾチックな街並みで有名なスポットで、映画のロケ地などにも使われています。
 この街の管理をされている磯野さんと街の形成に関わって こられた渡辺さんに、これまでの経緯や現状、今後の課題等 について語ってもらいました。
 
7月
・テーマ:「首都圏における高齢者施設を考える」
・講師:井上 裕 氏 (明海大学名誉教授)
 総務省の発表によれば、日本の65歳以上の高齢者人口は3,186万人、高齢化率は25%に達し、正に超高齢化社会の度合いを深めています。こうした状況下で重要性を高めている課題が、高齢者の住まいの問題であり、とりわけ自立した生活が困難となった場合に必要とされる支援や介護が受けられる高齢者向けの住まいがどのような状況にあるか、が社会問題となっています。
 今回は、英国はじめ海外の情勢にも詳しい井上さんから、首都圏における高齢者施設・住宅の現状、課題等についてお話していただきました。
 
8月は休講
9月
・日時:9月29日(月) 18:40~ (開場18:30)
・テーマ:「環日本海交流奮戦録」
・講師:三橋 郁雄 氏
  (新潟国際海運株式会社専務取締役、
   (公財)環日本海経済研究所特別研究員)
 
 昨今、日本海を挟んで、対岸の中国、韓国、ロシアとの緊張
が高まっていますが、こうした時期にこそ、対岸交流を促進し、日本海を平和と繁栄の海に変えていく知恵と努力が求められています。10年前から北東アジア輸送回廊ビジョンの発表や日本海横断航路の開設などの諸プロジェクトに取り組んでこられた三橋さんに、そのための課題など、現場からのお話をしていただきました。
 
10月
10月の都市工塾は、第13回ホームカミングデイ参加プログラム
です。
・日時:2014年10月18日(土)午前10時30分~12時30分
・テーマ:「創造都市の現在(いま)と将来(これから)」
・講師:秋元康幸 氏
   (横浜市建築局企画部長)
  21世紀の都市政策思想として、C.ランドリーやR.フロリダなどにより理論化され、欧州を中心に世界中に展開されている「クリエイティブ・シティ(創造都市)」ですが、グローバルな市場経済主義の波に流されるなど、多くのケースで、当初の地域・市民主体の都市イノベーションの実現という目標から離れ、社会の格差拡大や市民の分断化を助長している、という指摘もなされています。当初の創造都市が掲げた、市民パワー、ソフトパワーを活かした都市イノベーションという基本的政策方向性は、現在においても正当性があり、地域・都市レベルでの有効な手立てもあり得るはずです。
 今回は、創造都市政策の先進都市横浜で、同政策を担当されてきた秋元さんに、横浜市の状況、今後の課題等について報告いただきました。
11月
・日時:11月26日(水)18:40~
・テーマ:「虎の門ヒルズの計画・設計とその先」
・講師:六鹿 正治 氏
  (株)日本設計取締役会長
 本年6月にオープンし、2020年にオリンピックを迎える
東京の新しいランドマークとして注目を集めている虎の門
ヒルズは、虎ノ門から新橋を結ぶ「幻のマッカーサー道路」
と呼ばれた「環状2号線」の道路事業と一体となった東京都
施行の市街地再開発事業という条件の中で、複合的超高層
タワーと直下の地下幹線道路の組み合わせという極めて
ユニークな空間構成を伴って実現したものです。
 本事業の計画・設計を担当された日本設計会長の六鹿さん
から、本事業のデザイン・コンセプトや東京都心の都市開
発の将来展望などについて語っていただきました。

 

12月

・日時:12月22日(月) 18:40~ (開場18:30)

・テーマ:「旧軽井沢森地区建築協定の歩み」

・講師: 武藤 清 氏

   (諏訪の森建築協定の会代表、(株)星光社代表取締役)

 2001年に旧軽井沢の別荘地の真ん中にマンション計画が発表

され、周辺別荘住民による反対運動が起こりました。2003年に

反対運動の過程で計画地を取り囲むように建築協定を締結し、

マンション計画を撤回させ、戸建別荘地分譲に変更させること

に成功しました。その後、10年が経過し建築協定も新たに更新

されました。

 今回は、これまで粘り強く交渉を続けてこられた『諏訪の森

建築協定の会』代表の武藤さんに、今までの経緯および今後の 

展開等について、お話を伺いました。

 

2013年

1月

・テーマ:「地域への省エネルギー住設機器の普及に関する傾向分析」
・講師:吉田 肇 氏

  (横浜市環境創造局環境エネルギー課 担当課長)
 再生可能エネルギーの活用や省エネルギー住宅の普及は、増大を続ける家庭部門の温室効果ガス排出量の削減に有効な手段と考えられています。 今回は、横浜市で省エネルギー政策等に取り組んでおられる吉田肇氏(都市工14回生)に、太陽光発電システムなど主要な省エネルギー住設機器について、その地域への普及度、傾向分析や導入効果の検証結果についてお話いただきました。

 

3月

・テーマ:「東日本大震災における津波火災の実態」
・講師: 山田 常圭 氏

    (消防庁消防研究センター上席研究官)
 東日本大震災から2年が経過し、巨大津波の猛威や原発事故など今回の大災害の検証が各方面で進められ、頻繁に報道もなされていますが、今回の津波により、阪神淡路大震災時に神戸市内で発生した市街地火災の規模を上回る広域市街地火災が発生したことは、余り知られていません。こうした津波火災は過去の大震災時にも発生しており、今後発生が懸念されている首都直下型地震等においても大きな脅威となることが予測されています。今回、三陸沿岸及び仙台市近郊で発生した津波火災の実態を調査された山田さんに、その調査結果と今後の安全な街づくりに向けた課題・視点についてお話してもらいました。

 

4月

・テーマ:「しぶやコンシェルジュ(しぶコン)と渋谷の街」
・講師: 玉井 美歌男 氏 

  (一般社団法人しぶやコンシェルジュ代表)
 若者、ファッション、生活文化、国際観光文化都市など、多くの形容詞を冠する渋谷ですが、現在、百年に一度の大都市改造が進行しています。既に、渋谷ヒカリエのオープン、東横線・東京メトロ副都心線の相互乗り入れ開始、東急百貨店新東横店のオープンなど話題を賑わしていますが、こうした渋谷の街の知られざる魅力などを、渋谷で暮らし、渋谷を愛する住民目線で模索しながら、渋谷の観光まちづくりを進めてこられた「しぶコン」(一般社団法人しぶやコンシェルジュ)代表 玉井美歌男さんに語ってもらいました。

 

5月

・テーマ:「グラン・パリからセーヌ・ゲートウェイへ      -フランスの首都圏整備計画の展開状況-」
・講師: :鳥海 基樹 氏

 ( 首都大学東京 大学院都市環境科学研究科 建築学専攻准教授)

 国の顔とも言うべき首都圏整備の課題については、わが国では、従来の首都圏整備法の抜本改正を意図した「大都市圏戦略基本法(仮称)案」が、民主党政権下の2010年6月に決定されながら現在まで法案審議がなく、見通しがたたない状況となっていますが、これに対して、フランスでは、、2007年のサルコジ大統領(当時)の宣言でグラン・パリ構想が着手され、スケールという点でもコンセプトという点でも興味深い展開を見せています。 今回は、フランスの都市計画に詳しい首都大学東京大学院の鳥海さん(28回生)に、グラン・パリ構想の前史と副産物にも焦点をあて、また、プロジェクト・オリエンティッドの行政ガヴァナンス構築などの話題にも触れながら先進国フランスの首都圏整備の在り方を話していただきました。

 

6月

・テーマ:「都市工塾15年の歩みと日本社会のガバナンス・シフト」
・講師: :澤井 安勇 氏 

  (都市工塾実行委員会事務局長)
 都市工塾は、1998年に開講して今年で15年を迎えますが、この15年間のわが国は、デフレ経済を基調とした不活性な社会状況が不安定な政治(15年で13代9人の総理)を生み、さらに進行する人口減少と超高齢化などの社会的減退要因や相次ぐ大災害などが社会の不安定化と停滞を促進するなど、ネガティブカラーの濃い時代でした。そうした中でも、これからの日本社会の分権・市民社会化へのガバナンス・シフトを予感させる動きも見られます。今回は、塾15年の歩みを振り返りながら、こうした動きを整理した話がありました。

 

7月

・テーマ:「都市の新たなエネルギーシステム」

      ~スマートエネルギーネットワーク~

・講師:土方 教久 氏

  (東京ガス(株)エネルギー企画部

   ・エネルギー計画グループマネージャー)

 

東日本大震災と原発事故を受け、国においては、平成22年6月に閣議決定された現行のエネルギー基本計画を見直し、新たな、中・長期戦略を策定することとしています。こうした中で、東京ガスでは、都市ガス・電気などの大規模ネットワークと、高効率コージェネレーション・燃料電池などの分散型エネルギー、太陽光・太陽熱などの再生可能エネルギーを組み合わせ、さらに廃熱等の未利用エネルギーも活用して、地域全体でこうしたエネルギーをネットワーク化し、効率よく利用するシステム、すなわち「スマートエネルギーネットワーク」の構築を進めています。

 今回は、このスマートエネルギーネットワークを例に、都市づくりにおけるエネルギーの役割等について、東京ガスの土方教久氏(21回生)にお話いただきました。

 

8月 休講

9月

・テーマ:「バイオガス発電の現状と今後の展望」

・講師: 小川 幸正(おがわ ゆきまさ)氏

  (大林組 環境施設エンジニアリング部 上級主席技師

   バイオガス事業推進協議会 理事)

 

  前回に続き、エネルギー関連のテーマとなりますが、EU諸国などでは積極的に取り組まれているバイオガス発電(食品残渣、下水汚泥、ふん尿等を原料とする発電方法)の現状、メタン発酵消化液の処理の課題、ならびに湿潤系バイオマスの資源循環や再生可能エネルギーとしての期待を込めた今後の展望について、大林組の小川さんに語っていただきました。

 

10月

10月の都市工塾は、東京大学ホームカミングデイ企画

・テーマ:「社寺建築の魅力と保存修理

     -国宝出雲大社保存修理事業について-」

・講師:清水建設社寺建築・住宅副部長 金久保 仁 氏

 

 今年は、5月に60年ぶりに出雲大社の平成の大遷宮が行われ、また今月は、20年に一度の伊勢神宮の式年遷宮が行われるなど、我が国固有の社寺建築に注目が集まっています。この機会に、社寺建築の魅力と、文化財修理のノウハウなどについて、出雲大社の保存修理事業などを手掛けられた清水建設の金久保さんからお話していただきました。

 

11月

・テーマ:「宮大工が語る社寺建築の魅力ー

     時代の変遷による社寺のとらえ方ー」

・講師: 吉匠建築工藝 棟梁 吉川輔良氏

 

 前回に続き、社寺建築の魅力について、幅広く、社寺建築、文化財の建立・修復等を手掛けられ、伝統技術の承継にもご努力されている吉匠建築工藝棟梁の吉川輔良さんに古代から使われてきた伝統の大工道具

の実演も交えてお話をしていただきました。なお、吉匠建築工藝は、大工の技術伝承から師弟教育まで社寺建築技術の継承に努め建立を請け負ってきており、神社・仏閣にまつわる一切の建築物で信頼を得ています。

 

12月
・テーマ:『企業が取り組む「新しい公共」:
     はあとねっと輪っふる事業などを例にして』
・講師:埼玉トヨペットCSR・環境部社会貢献課
     担当顧問 渡辺新一 氏
     担当係長 轟 和宏 氏
 
 近年、市民セクターと政府セクターなどの協働(パートナーシップ)関係が進み、「新しい公共」の時代に入りつつあるといわれていますが、企業セクターにおいても、CSRの考えに基づき、従来の企業活動の域を超えて幅広い社会貢献活動に取り組む姿勢がみられるようになりました。
 今回は、そうした企業による社会貢献事業への取り組みについて埼玉トヨペットの渡辺さんと轟さんに語ってもらいました。
 
2013東京大学ホームカミングデイ都市工塾
2013年10月19日ホームカミングデイのちらしです
2013東京大学ホームカミングデイ用チラシ.pdf
PDFファイル 404.7 KB

2012年

2月

・テーマ:「転換期を迎えた近代都市計画」

  --近著「都市環境デザインのすすめ」にみる人間中心のまちづくりへの回帰--
・講師: 中野 恒明 氏

 (芝浦工業大学システム理工学部環境システム学科 教授 /アプル総合計画事務所 所長)
 1960年代の全国への近代都市計画制度の導入から約半世紀、大都市の繁栄の一方で、寂れ続けてきた地方都市の中心市街地、それを都市デザイナーとして再生を実践的に支援してきた立場から、またその過程で海外都市を調査し、修正近代都市計画の成果を確認してきた経験を、近著「都市環境デザインのすすめ」の紹介も兼ねて、都市工9期生の中野さんに語っていただきました。

 なお、中野さんは、昨年の3・11大震災で液状化被害を受けられながら、被災住宅の復旧支援等にも精力的に取り組まれています。

 

3月

・テーマ:「山村の抱える課題を道志村の事例を通して考える」
・講師: 大田 昌博 氏

    (山梨県道志村村長)
 「日本一の水源の郷をめざして」を目標として、清流とおいしい水を育む豊かな森を守り、村民と共に美しい景観と安心して暮らせる村づくりを進めておられる道志村の大田村長に、山村の抱える課題等について、森林再生事業、IT活用事業、産官学連携事業、持続可能な村づくりなどの視点から率直なお話をしていただきました。

 

4月

・テーマ:「東日本大震災により 破壊された世界観と帰宅困難者問題」
・講師:  守 茂昭 氏

 (財団法人 都市防災研究所 上席研究員)
 想定外という言葉が流行った東日本大震災ですが、生活の安全感覚は元々多くの思い込みのうえに成り立っている面があります。その思い込みが、正しいと信じられていられる間は、それなりに社会合意の形成にも役立つわけですが、今回の災害のように思い込みが脆くも敗れると、次の政策の指針まで立たなくなることになります。

 今回の震災まで、我々がどんな思い込みの上に座っていたか、また、そういった思い込みの中のひとつとして「帰宅困難者問題は重要でない」という、いう思い込みが生まれる必然性があったことなど、興味深いテーマについて、都市防災研の守さん(都市工19回生)から、3月11日のエピソードを織り交ぜながらお話していただきました。

 

5月

・テーマ:「環境革命の世紀」

     環境主義の時代のデザイン、テクノロジー、社会について
・講師:彦坂 裕 氏(建築家・環境デザイナー)

     株式会社スペースインキュベータ代表取締役、北京徳稲教育機構大師、千葉大学講師
 阪神淡路大震災の前から、カタストロフと都市復興の問題を、都市創造の主題のひとつとして語ってこられ、さまざまなフォーラム・講演・TV出演・著作など、環境や都市に関する国際的な活動をされてきた、彦坂 裕氏(都市工11期生)に、今回は「環境」を時代のテーマとして捉え、その歴史的文脈、文化的展開、環境認識に対する諸外国との差異、環境をテーマにした先進的な都市プロジェクト、環境万博(2005年の愛知、2010年の上海で日本館のプロデュースや設計にも関わった)での取り組みや反響、環境をめぐるテクノロジートレンド、さらに環境の可視化などについて語っていただきました。

 

6月

・テーマ:「大都市再編構想の落とし穴」
・講師: 田村 秀 氏

   (新潟大学法学部 副学部長、教授)
 昨今、大阪都構想を始め、中京都構想など大都市を再編(解体)しようとする構想が「改革派」首長によって唱えられていますが、このような構想は都市に何をもたらすのでしょうか?地域主権を旗印に、国を始めとする様々な権力に楯突く「改革派」首長を頼もしく感じる有権者も少なからずいますが、危うさも付きまとっているのではないでしょうか。

 田村さんの近著『暴走する地方自治』(ちくま新書)で論じられていることを踏まえ、大都市再編構想の落とし穴ともいうべき諸課題について述べていただきました。 

 

7月

・テーマ:「スマートグリッド・スマートコミュニテイ  /横浜での取り組み」
・講師: 北村 清之 氏

(株式会社明電舎スマートグリッドプロジェクトサブリーダー)
 横浜市でスマートシティプロジェクトに取り組んでいる北村さんに、スマートグリッドの概念や意義、コミュニティへの展開における課題、横浜スマートシテイプロジェクトの具体的取り組み、さらには東北復興地域や海外での取り組みについても語ってもらいました。

 

9月

・テーマ:「春の小川」のルネッサンスから大都市東京の復活を
・講師:尾田 榮章(おだひであき)氏

    (NPO法人渋谷川ルネッサンス代表)
  今年は、童謡「春の小川」が生まれて100年になり ますが、そのモデルとなった渋谷川は、50年前の東京 オリンピックの際、蓋をされ都市下水路となっています。 この渋谷川を、太陽の下を流れる川として再生し、新た な千年紀を生き抜く豊潤な東京に転換していこうという 運動を展開されている、尾田さんからお話いただきました。 

 

10月 (東京大学ホームカミングデイ)

・テーマ:「東京スカイツリーの建設とまちづくり」
・講師: 小櫃 秀夫 氏 

  (株式会社大林組 開発事業本部 副本部長)
  本年5月、新たな東京のシンボルとして高さ634mの「東京スカイツリー」がオープンし、その足元では、商業施設、水族館、プラネタリウムなどが入る「東京 スカイツリータウン」という新しい街も誕生して、多くの人が訪れています。  この東京スカイツリー誕生のいきさつから、デザイン・設計、建設工事の概要、さらには、東京スカイツリーと周辺地区の今後のまちづくりの方向性について、ビジュアルな講演を行っていただきました。

 

11月

・テーマ:「次の大震災への鉄道の備え」
・講師:阿部 等 氏

    (株)ライトレール 代表取締役社長 
 首都圏では、平日のラッシュ時には、数百本の満員電車が高速で走行しています。そこに、現在その発生が高い確率で予想されている首都直下地震が襲った場合には、重大な脱線・転覆事故が同時多発的に発生し、膨大な数の死傷者が生じることが見込まれます。

 こうした鉄道に関わる重大なリスクを正しく理解し、恐れ、可能な限りの準備をしておく必要があります。こうした視点から、都市交通問題の専門家である阿部さん(昭60都市工卒)に過去の大震災における鉄道の経験、今後想定されるシナリオ、最悪の事態から逃れる減災対策の提言などについて語っていただきました。

2011年

1月

・テーマ:「AECENと川崎の国際環境施策」 

・講師:牧 葉子 氏      川崎市環境局理事 環境技術情報センター所長事務取扱
  2010AECEN優秀賞でも注目された、川崎市の環境施策・国際施策 また、本年は中国・瀋陽市との友好都市締結30周年になり、その近況についてもお話しいただきました。
注:2010年11月10日、「アジア環境法遵守執行ネットワーク(AECEN、エーセンと読む)」から、アジアにおいて環境法の遵守・執行分野で際立った貢献と業績を残した女性行政官に贈られる「2010AECEN優秀賞」(毎年ひとり、各国の環境省の推薦、選定委員会の審議を経る)を授与された。
AECEN(Asian Environmental Compliance and Enforcement Network)とはアジア16カ国*より19の行政機関がメンバー機関として参加。AECENの活動は、米国国際開発庁(USAID)による主要な資金援助の下、国連環境計画(UNEP)、アジア開発銀行、米国環境保護庁、経済協力開発機構(OECD)、及びIGES等が支援している。* カンボジア、インド、インドネシア、日本、韓国、ラオス、マレーシア、モルジブ、ネパール、中国、パキスタン、フィリピン、シンガポール、スリランカ、タイ、ベトナム

 

2月

・テーマ:「新しい公共」とまちづくり 

・講師:澤井 安勇 氏 

  (「新しい公共」支援事業運営会議座長)
  民主政権に代わって、いくつかの基本政策方針の変更がありましたが、そのひとつが「新しい公共」という市民社会論的視座の理念が実政策化されたことでしょう。今回は、本来の「新しい公共」概念の整理と今年度の補正予算で事業化された支援事業の内容、さらには本当の意味で「新しい公共」を定着化させるための課題等について報告がありました。

 

3月

・テーマ:「鉄道事業と沿線まちづくり」
・講師:渡辺 功 氏(東急電鉄取締役都市生活創造本部長)    浜名 節 氏(同 都市生活創造本部推進部長)
 首都圏の都市・住宅開発の発展は、鉄道沿線のまちづくりの歴史と密接な関連を有しています。今回は、民鉄沿線のまちづくりの歴史と現在および将来の取り組み等について、東急電鉄のケースを次のような内容でお話いただきました。(1)東急電鉄の開発ヒストリー(2)4大プロジェクト(多摩プラーザ、永田町、二子玉川、渋谷)(3)不動産事業の構造転換

 

5月

・テーマ:「建設情報標準化の周辺」
・講師: 河内 康(財)日本建設情報総合センター主任研究員
 建設分野の生産性向上・効率化のためには、図面、コード類、帳票、プロダクトデータなどの建設情報の標準化が必要となっています。こうした建設情報標準化の考え方やこれまでの取り組みなどの周辺的状況を、電子入札システムやCADデータ交換標準フォーマット等の開発に大きな実績を挙げている(財)日本建設情報総合センター(JACIC)の河内康氏(都市工16回生)に解説していただきました。

 

6月

・テーマ:   「継続的・協調的まちづくりを目指す空間データと VR(Virtual Reality)の活用について」
・講師: 長濱龍一郎 氏 (パナソニック電工株式会社     中央エンジニアリング綜合部環境計画推進グループ) 
 まちづくりプロジェクトにおけるデザイン上の意思決定や合意形成において、ビジュアル映像が活用されることはしばしばであるが、映像の元になる三次元データの活用については、不十分でした。今回は、2005年に引き続き、パナソニック電工の長濱さんから、VR活用の現状と空間データの相互提供や共有化の仕組みの構築によるデザインマネジメントやエリアマネジメントの新たな可能性について語ってもらいました。

 

7月

・テーマ:   「東日本大震災: 復興の視座と今後のまちづくりのあり方」
・講師: 加藤 孝明 氏    (東京大学生産技術研究所   都市基盤安全工学国際研究センター准教授)
 その大震災から4ヶ月余り。大地震・大津波・原発のメルトダウンによる甚大な被害が東北三県を中心に発生するという未曽有の超広域・巨大災害でしたが、4ヶ月を越える現在、10万人を超える人々が避難・転居を余儀なくされており、本格復興への見通しも定かではありません。この時期に、改めて今回の震災からの復興と今後のまちづくりのあり方、プランナーの役割等について、各地で復興マスタープランなどを手掛けてこられた加藤さんに課題提起を含めお話していただきました。

 

9月

・テーマ:   「東日本大震災からの覚書」
・講師: 三舩  康道 氏           (ジェネスプランニング株式会社代表取締役)
 前回に引き続き、東日本大震災からの復興を今月のテーマとしたいと思います。今回は、「災害事例研究会」を主宰する三舩康道氏に、防災から減災へという発想の転換を基本として、震災からの復興まちづくり等について諸々の提言を語っていただきます。なお、伊藤滋先生との同名の共著が出版されておりました。

 

10月

・テーマ:「工場再開発による文化都市の創出 

 -恵比寿ガーデンプレイスの誕生による、まちの変貌と恵比寿ブランド」 

・講師: 阿部 匠 氏 

  (恵比寿ガーデンプレイス(株)不動産技術本部長)
 17年前にビール工場野跡地開発として誕生した恵比寿ガーデンプレイスは、渋谷、代官山と連担した文化都市ゾーンの一角を担い、住みたい街、訪れたい街のランキングでも高い評価を得る空間を形成しています。
 今回は、ガーデンプレイスの阿部さんから、開発前後の事情から現在、そして、これからの発展の方向などについて語っていただきました。

 

11月

・テーマ: 「二次災害、人食いバクテリアから人々を守る」   --東日本大震災のガレキ処理と感染予防対策--
・講師: 石井 健三 氏 (株式会社FMI 副社長)
  東日本大震災のガレキ処理が大きな問題となっています が、その一方で、ガレキ処理などにともなう破傷風の感染 やビブリオ・バルニフィカス菌の感染が心配されています。  今回は、塾メンバーの石井さんから、ハリケーン・カトリーナ後の対策で使われた技術が今回のガレキ処理で使われようとしている状況や今後発生する台風や地震などの自然災害時の感染予防対策に役立つ、安定化二酸化塩素の展望と課題について、現地の実情報告を交えてお話していただきました。

 

12月

・テーマ:「低炭素都市構造を目指して」 

・講師:信時 正人 氏   (横浜市温暖化対策統括本部長)
 環境モデル都市であり、今環境未来都市にもエントリー(12月中旬に結果発表)している横浜市が如何に都市を考え、如何なる温暖化対策を展開しているかについて綿密な話があり、また、現在推進中のスマートシティー構想の内実と環境未来都市の内容についての報告があった。